bluesmokesilent

ある男の日常をジャズレコードとともに|4コマ+ジャケット模写| 4 panel comic inspired by JAZZ records|reproduction of album art with pen and ink

BLUE SMOKE SILENT|EP.34|I Can't Get Started

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とくにロリンズの名演というわけでもないのですが、男同士の甘噛みにもふさわしい曲かと思い、選んでみました。邦題の『言い出しかねて』は、名訳と呼ばずして何と呼ぶ…というくらい、よく出来てますよね。ロマン主義の本質は、その距離感にこそあるようですが、そうした意味では、男・女や、女・女よりも、男・男のほうが、まどろっこしい距離を生み出しやすいように思います。仕事関係でも、交友関係でも。

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サックスの男が吹いた曲のアルバム|A Night at the Village Vanguard

Sonny Rollins (ts)
Wilbur Ware / Donald Bailey (b)
Elvin Jones / Pete LaRoca (ds)

Blue Note(BLP 1581)
1957

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ピアノレス・トリオの傑作として名高いアルバムですが、たぶんこのアルバムだけを聴きこんでも、それほど収穫はないように思います。皆が口を揃えてソニー・ロリンズを褒め称えていますが、そんなに簡単に分かる人ではないというのが個人体験としてあります。豪快に吹きまくるという表現もよく見かけますが、彼の何が豪快なのかを感じるのも、本当はけっこうハードルが高い。ロリンズの本質は、ジャズ演奏のイディオム(慣用句)を解体し、どこかゼロベースのような地点から音の連なりを構築していく、その肝っ玉みたいなところにあるように思います。だからこそ勢いのある音楽的快感(豪快さ)と引き換えに、よくスランプに陥ったのではないか。得意としたピアノレスというフォーマットも、イディオムに縛られ/守られるのを拒んだからでしょう。知ってるものにしか喜べない人間は、本当は理解できていないはずだと思います。