bluesmokesilent

ある男の日常をジャズレコードとともに|4コマ+ジャケット模写| 4 panel comic inspired by JAZZ records|reproduction of album art with pen and ink

BLUE SMOKE SILENT|EP.31|Cool Bunny

f:id:blue_smoke:20210316110858j:plain

僕自身はかつて少年であり、少女がどんな世界に住んでいるかを想像する際には、最も深く知る女性である妻を通すことになります。あとは母と姉、次いでそれなりに深くつきあってきた女性たち。彼女たちに共通する1本の糸をたぐり寄せていくと、少女時代の漠然とした喪失感が浮かび上がってきます。少年が少しずつ失っていくのに対し、少女は初めから失っている。4コマの少女を「Cool Bunny」と呼ぶような誰かを。そして何かを。彼女たちは、その影とともに生きているような気がします。

f:id:blue_smoke:20210316110906j:plain

少女が夢の中でそう呼ばれていた曲のアルバム|Modern Art

Art Pepper(as)
Russ Freeman (p)
Ben Tucker (b)
Chuck Flores (ds)

Intro(ILP 606)
1957

f:id:blue_smoke:20210316110902j:plain

芸術という行為は、多かれ少なかれ生と死をモチーフとするものでしょうけれど、ジャズという抽象度の高い音楽においては、直接的に関係することはないはずです。それにも関わらず、アート・ペッパーのアルトからは、いつも死の気配が漂っているように感じます。音色もそうですし、どことなく音楽語法の余剰へと向かうようなフレージングもそうです。映画でいうと、デヴィッド・リンチの作品世界に似ているかもしれない。『ツイン・ピークス』で、クーパー捜査官がローラ・パーマーと出会う異世界。その異世界に流れる音楽を、僕はいつも思い浮かべることになります。同作には「Fire, walk with me.(火よ、我とともに歩め)」という呪術的言葉が出てきますが、アート・ペッパーのアルトにも、そうした呪術性が濃密にたちこめているように思います。彼は何とつながっていたんだろう?何を振りほどけなかったんだろう?