bluesmokesilent

ある男の日常をジャズレコードとともに|4コマ+ジャケット模写| 4 panel comic inspired by JAZZ records|reproduction of album art with pen and ink

BLUE SMOKE SILENT|EP.1|My Funny Valentine

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誰かが真剣におっちょこちょいなことが、どうしてこんなに愛おしいんだろうと思う時、この曲とチェット・ベイカーのことを思い出します。そして彼の歌う『My Funny Valentine』を聴くと、才能や努力の彼岸にあるもののことを思わずにはいられません。誰にでも訪れたことがありながら、誰にもつかむことのできなかった何かを。裏を返せば、作為的であるうちはそんなに魅力的ではないのかもしれないです。それはどんなことであれ。

f:id:blue_smoke:20210218112210j:plain 男が聴いていたアルバム|Chet Baker Sings

Chet Baker (vo, tp)
Russ Freeman (p, celeste)
Carson Smith (b)
Bob Neel (ds)
etc.

Pacific Jazz
1953-56

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このアルバムがリリースされた当時、多くの若者たちが第2のチェット・ベイカーを目指して都会に出たものの、誰一人としてチェットにはなれなかったというエピソードを、僕はたいへん興味深く思います。"なれなかった"ことのほうではなく、"なれると思った"ことのほうを。シンプルで歌心に満ちていて、誰もが知っているあの感覚。だからこそ、自分も入っていけるような余地を感じさせてしまう力。魅力とは何か…ということに対する、1つの究極的な答えのように思います。